クモ怪人

アンチクライストのクモ怪人のレビュー・感想・評価

アンチクライスト(2009年製作の映画)
3.7
夫婦が快楽を追求し、ウットリと陶酔する。1人息子がダイブする。芸術性たっぷりにエロスを表現しながら、悲惨なシーンを幻想的に描いている。

ラース・フォン・トリアー監督、お得意のゲス黒さが展開する。これは普通のホラー・スリラー映画とは一線を画している。2009年のカンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映され、激しい暴力シーンのため観客が気絶したなんて。

ウィレム・デフォーとシャルロット・ゲンズブールが体当たり演技により狂う。2人が演じる夫婦のゲス黒いワールドに引き摺り込まれる。面白いのかどうかさえもわからない。陰鬱に次ぐ陰鬱が襲いかかってくる。そこに宗教観を絡めてくる。

エロい描写も怖い。現実とは思えない独特の映像世界だ。精神的グロさで自称映画通でも、その評価は分かれるに違いない。強烈でクセがあり過ぎる。ジャパニーズホラーのような湿り気もある。

暗い、痛い、キモい、三拍子揃っているぜっ、バッキャローッ!
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