マッサージ屋

約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯のマッサージ屋のレビュー・感想・評価

4.0
1961年、三重県名張市。
農業を営む奥西勝(山本太郎)は村の懇親会に出席した。
その際ぶどう酒を飲んだ人間が次々と倒れ、奥西は容疑をかけられる。
連日に渡る取り調べで自白を強要された奥西は罪を認めてしまう。
現在の奥西勝(仲代達矢)は名古屋拘置所内で粛々と生きて・・・。

仲代達矢や樹木希林らが演じるドラマパートと実際の映像を織り交ぜたノンフィクション作品。

色んな媒体で取り上げられた“名張毒ぶどう酒事件”。
改めて見ると奥西勝死刑囚は50年に渡って名古屋拘置所の独房に居たという事実に愕然としますね。
毎朝死刑執行の恐怖に怯えながら生きるって…。
しかも一回無実の判決をもらってるんですよね。
5年後に無実→死刑判決という逆転判決をくらい、そこから拘置所暮らし。

再審請求するも棄却の繰り返し。
戦後の事件で冤罪が出まくったから、この事件に関しては意地でも有罪で終わらせたいという司法の思惑が見えて仕方ない。
これだけおかしな理由で逮捕されたという証拠を提示しても再審請求棄却ってヘン。

さらに村人らの奥西が犯人だという口裏合わせも気持ち悪い。
まぁ村社会では1人でもフライングしたら村八分決定でしょうしね。

この映画公開後に奥西氏は死刑囚のまま病死してるんだよね。
メンツだけ(?)で無罪にしなかった司法はどう考えてるんでしょうね。