しまうま

グレイヴ・エンカウンターズ2のしまうまのネタバレレビュー・内容・結末

1.8

このレビューはネタバレを含みます

 前作が面白かっただけに、今作も期待してしまった自分を責めたい。たしかに、こういうホラーのシリーズものは前作と同じことをやってしまっては仕方ないし、かといってじゃあ何ができるのかと問われたら困ってしまうのは明白だ。
 本来、この作品そのものの評価スコアは1を切るくらいでもいいと思うけど、ただ間違いなくスタッフ・製作陣の人たちはチャレンジをしてくれた。そのチャレンジには敬意を払いたい。


 前作で行方不明になったTVクルーのテープが映画公開され、果たしてその映像は真実なのかが話題になる。映画監督を目指すアレックスは「自分のほうが怖い映画をとれる」とネットで吹聴していると、一通の不審なメールが届く。そこには、そのTVクルーらの公開されていない映像が添付されていた。その後、調べていくうちに実際に出演者のTVクルーたちは今現在も、全員が行方不明であることがわかり、アレックスは友人を連れて「より怖い映画」を撮影するため、現場を訪れるーーというのが、大まかなあらすじ。


 前作を踏襲しながらも、今度はより「一般人」に近い立ち位置の学生らが曰くの現場に足を踏み入れるところまではよかった。いや、そこまでの過程も前作と比べると雑になっているように思えてならない。
 まあとにかく、そこから恐怖がだんだんと彼らを襲うわけだけど、問題は中盤以降のドタバタ演劇だ。ここはホグワーツ城かと疑いたくなるくらい、もうひどい子どもじみた驚かせ方の連続で、前作の演出を許すことのできた僕も、我慢できなかった。
 前作の主役であるショーンが生き延びていてーというくだりはなんだか嬉しくなって、けっこう気に入ったけど。


 終わらせ方もどうかと思う。
 せめて、もう少し舞台の廃病院の謎を解き明かしてくれたらいいのに、脱出の方法にしか焦点が当てられない。前作の最後、ショーンは逃げ込んだ先にこの病院の古い記憶的な場所にたどり着いた。今作ではそういう演出もなく、オーバーで野暮なアクションの後に、アレックスが結果的に「怖い映画」を撮影できたとされて終わる。

 
 好きなタイプの映画だっただけに、残念で悲しい。
 ただ前述したように、今作で「前作以上のものをつくろう」と、主人公のアレックス並みのチャレンジ精神を抱いてくれた気概は感じられた。
 失敗なんていくらでもある。
 ぜひこれに懲りずに、新作をつくってほしいと思う。
しまうま

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