地味なジャケットの絵と、病人の横で煙草を吸う不届きな映画だという当時の批判でなんとなく敬遠していた映画だった。
でも、実際は自然に涙が溢れてしまう大人の素敵な映画でした。
二郎というマイペースなキャラがわたしにはとても魅力的だった。声も含めて。
熱い情熱を秘めているも、いつも静かで、穏やかで、きちんと内省しているからこそ自分の信念や生き方が揺らがない人の様に見えた。
菜穂子を山へ帰した方がいいと外野から言われても、彼はちゃんと命と生と時間の大事さを測ったからの決断だったんだろうと思う。
例の煙草の場面。
2人が大切にしようとした 一日一日は、お互い無理する事なく自然体でいる事だったんだと思う。
そう思うとベビースモーカーの二郎は菜穂子に気遣いつつも いつもの二郎の煙草ありきの仕事モードでいてくれたのは菜穂子にとっても心地よかったんだろうと想像した。
長年連れ添った仲なら最期まで何もかも曝け出せるかもしれないが、あんなに若くて直ぐにお付き合い、結婚した仲なら綺麗な自分のイメージを保って置きたいと思うだろうと思う。それが幸せに思えるんだと思う。
いつも綺麗だよと囁きかけてくれる二郎の言葉は女からしたら最高の瞬間だもの。