ジブリはほんとうに自分に様々なものを与えてくれるから好きだし感謝さえしている。当時世界一の飛行機と称された零戦の設計者堀越二郎の自伝的物語。飛行機は工業化社会の結晶、正に浪漫飛行だなあ。
公開当時の自分は高校生で、1つ下の女の子が誘ってくれて映画館へ一緒に観にいった。彼女はとても綺麗でCMやらテレビにも出ているような子で、緊張していた自分は映画の内容など殆ど何も覚えていない。飛行機と戦争の映画。くらいの印象しかない。若かりし青春の思い出。
イノベーターや天才的な方はやはり風変わりであるようだ。自分の意思に素直故に社会や会社や人との対立を避けられない人は非難される事が多かったりしているするなど。所謂普通が良かれとされる日本に対する是非というか皮肉のようにさえ感じる作品。
「飛行機は戦争の道具でも商売の手立てでもないのだ。飛行機は美しい夢だ。設計家は夢に形を与えるのだ。」素敵なフレーズだけれどもその夢である飛行機が戦争を起こすというのも皮肉で悲しいものである。
地震の演出は大袈裟でもあるけれどその分強調の意思が感じるなあ。
「設計で大切なのはセンスだ。センスは時代を先駆ける。技術はその後についてくる。」うーん。。良い言葉なんだけど、個人的にセンスというのは神秘的でも先天的なものとも思いたくないんだよなあ。それが美しいのかもしれないけれども、データや実例に基づくエビデンスがセンスになって欲しいと思いたい。そうじゃなきゃ報われない。逆も然りではあるのかも知れないけど。
クレソンうまいは覚えていた。
紙飛行機を飛ばし合う堀越さんと菜穂子さんの姿は素敵なのに病と恋愛というのは切ない。。
美しい姿のままに。。
エンディングのひこうき雲の哀愁たるや。。
17歳の当時は何も分からなかった。でも今なら少しは何かがわかった気がした。