「風立ちぬ、いざ生きめやも。」
まだ暗い中、一軒家では子どもたちが蚊帳の中で寝ていました。
一人の少年が見る夢は、屋根にあるプロペラ飛行機を飛ばすものです。
朝日の中、プロペラを回しながら田畑を行き、川の上を飛ぶ、爽快な夢でした。
しかし、それもつかの間、巨大な不気味な飛行機が上を行きます。
乗っていたプロペラ飛行機は…
「まだ、風は吹いているかね?」
昔の日本の風景が描かれる様がとても懐かしいような、素敵なアニメーションです。
タバコのことでいろいろ討論があったようですが、この映画の雰囲気、好きです。
宮崎駿監督は空に浮くシーンがとっても上手いですよね。爽快感があって、気持ちが良くなります。
弱い者をいじめるのを許さない正義感、大きな夢を諦めず手に入れる勇気、それに向かって勉強する努力家の面…主人公は、宮崎駿監督の理想とする姿なのかもしれません。
敬語の台詞が、とても美しく感じます。
私はこの時代に生きていた訳ではありませんが、日本のこの時代は良かったな。なんて思ってしまいました。
戦争のために作られて開発された飛行機。しかし、戦争が終われば、飛行機には爆弾ではなくお客が乗り、室内も部屋のように改良されます。
そんな美しい飛行機を夢見る少年。
なんて夢のあって、素敵な話なんでしょうね。
「この国は、どうしてこう貧乏なのだろう。」
この時代に日本で起こったこと、関東大震災、その後の火事、青年の夢…
「僕は、美しい飛行機を作りたい。」