ちどりん

風立ちぬのちどりんのレビュー・感想・評価

風立ちぬ(2013年製作の映画)
3.3
空を自由に飛ぶ飛行機を夢見てた少年がやがて大人になり零戦の設計士になる。
昔助けた少女もまた大人の女性へと成長し主人公と再会をし、2人は恋に落ちる。

宮崎駿作品は空を飛ぶものが多く、この作品も戦争兵器を作っている恐ろしさよりも空への憧れの方が強い。

そしてその景色は宮崎アニメの真骨頂とも言えるようにまるで自分も空を飛んでいるかのごとく気持ち良く描かれている。

だがそれは主人公の夢の中や想像妄想の中で実際の飛行シーンでは美しくは描かれていない。
結局全てをかけて作った飛行機も大切な人も風とともに空へと消えてゆき主人公には思い出だけが残る。
戦争の怖さも夢への虚しさも大事な人を失った哀しみもとてもアッサリと表されエンディングのユーミンの歌詞が全てを語っているかのようだった。

宮崎駿が初めから主人公の声は庵野秀明だと決めていたと昔聞いたことがあるが、その棒読みの淡々とした吹き替えがそのアッサリ加減を上手く表現できていたのだと思う。
でも他の吹き替えはもう少しなんとかしてほしかった。
ちどりん

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