IT坊や

風立ちぬのIT坊やのネタバレレビュー・内容・結末

風立ちぬ(2013年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

久々の初見ジブリ作品。
戦争ものは悲しくて苦手なので、零戦の登場する本作も忌避している部分がありました。しかし、蓋を開けてみると流石ジブリ。とっても良かったです!!

ラピュタとか、ナウシカとか、そういうゴリゴリのファンタジーとは違う現実的なストーリーだけど、夢という形でちゃんとファンタジーが絡んでますね!やっぱり、ジブリファンとしては、こういう表現があると嬉しいです。

本作の主人公である堀越次郎は、非常に優秀で優しい人間。ヒロイックな行動に痺れる一方で、実家に全く帰らないなど、人間味の薄い人物でした。でも、菜穂子の事になると不格好に取り乱すし、自然と涙が溢れてしまう。そんな彼が凄く好きでした!

また、次郎の、サバの骨さえ美しいという感性がとても良い!現代は技術が進歩して、芸術や音楽も溢れていて、何かを美しいと思うことは珍しくなっています。たぶん、美しさのハードルが高くなっているんですね。
でも、しっかりと目を凝らせば、そこらに生えてる木も、虫も、月も、きっと全てが美しい。目をしっかり開けて、周りのものをよく見てみたいと思いました。

また、次郎はそんな無機物を美しいと感じていたけれど、それでもやっぱり、彼にとって一番美しかったのは菜穂子だと思います。

風に飛ばされた帽子を受け取ってくれた菜穂子。傘を受け止めた次郎。飛行機を飛ばしあった2人。この映画における「風」とは、人と人を繋ぐものなのではないかと思いました。
「風が立つ。生きようと試みなければならない。」誰かと繋がる事ができるなら、1人じゃないならば、生きることを諦めてはいけない。そういう事かなぁ。ちょっと違う気もするけど。笑
何にせよ、凄く良い言葉ですね。

また、世界的にこれだけ遅れていた日本を、ものづくりの大国として進化させてきた先人たち。彼らへの敬意を感じました。僕も、日本人である事に誇りをもって、自分の仕事に取り組んでいきたいです。

観たばかりで、まだ中々自分の感情を整理できていません…。この感想も正直不格好だと思います。でも、とにかく、果てしなく美しい作品だった。それは間違いないです!宮崎駿の絡む映画を観れるのはあと何回だろう?一つ一つに感謝して、噛みしめたいですね。
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