むぅ

かぐや姫の物語のむぅのレビュー・感想・評価

かぐや姫の物語(2013年製作の映画)
3.9
"姫"と名のつくものに憧れた事がない。

自分でも何故かは分からないのだが、どうしてもピンとこない。
なので、「今は昔、竹取の翁といふものありけり」と始まった今作の冒頭で、中学の古文の授業と「断るなら最初から断ればいいのに無理難題ふっかけて最終月に帰った」という中二病の極みである感想を持った事を思い出してしまった。
我ながら可愛くない。
「◯◯君ねー、あれ買ってくれたから付き合ってもいいかなー」と言った友人に「かぐや姫じゃん」と言ったこと含め。

ごめん、と思う。
暴言を吐いた友人にではなく、かぐや姫に。
自分が経験したことのある立場であったり、大変だな辛いだろうなと感じる人の身に自身を置き換えて想像したり、考えたりする事はあるが、"欲"という点で自分より満たされていると勝手に判断した人の立場に立って物事を見ようとする事の少なさ。わかってはいたが、改めて自分の浅さを思う。

つまり私は「美人だから」とかぐや姫に限らず、姫たちをやっかんでいたのか。
おちょこレベルの器ではないか。

指紋が違うように、全ての事が同じなんて事はないのだよな、と。
人が違えば、その立場も同じ事にはならないのに、つい一括りにしてしまう事がまだまだあるな、と思った。

と、色々考えつつも、帝のあまりにも鋭角なアゴが気になりすぎて、一度止めてしまった。
せめて、おちょこは脱したいのに。
嗚呼、である。
むぅ

むぅ