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かぐや姫の物語のものレビュー・感想・評価

かぐや姫の物語(2013年製作の映画)
3.5
猛々しくも美しい姫はどこへ消えたのか。月へ向かう彼女の色が薄れていくように、その存在は次第に消えていく。正直なところ竜頭蛇尾の一言に尽きる。

前半、アニメーション的な生の迸りにあふれ、生きることそのものの尊さを強烈に感じさせるものの、捨丸との再会、「そうよ、なんでもないわ。生きている手応えを感じられれば」というセリフを最後に全てが転落していく。

3DCGIに頼った空中遊泳(類似したシーンとして「千尋」や「恩返し」に遠く及ばない)、月の人が来てからのしまりのないコンテとセリフに陳腐な演出。
高畑はパイロットで満足してしまったという話を聞いたが、ラストのやっつけ具合を見ると納得である。完成しないことこそが、姫が生きる唯一の術だったのかもしれない。
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