ひやしぐま

世界にひとつのプレイブックのひやしぐまのレビュー・感想・評価

4.5
主人公の2人の魂は傷つき、もがき、絶望の淵にあった。物語の前半、2人のそれぞれが抱える受け入れがたい悲しみや深い絶望は、マグマのような怒りとなってそこかしこで爆発、反発しあってしていたが、「ダンス」という芸術を通じて2人は負のエネルギーを、生きるパワーに昇華していく。

うまくいかない現状にフラストレーションを抱えている人にオススメ。自分の代わりに登場人物達が怒り、叫び、めちゃめちゃにする姿にいつの間に感情移入してしまい、最後は一緒に魂が救われた気分になるはずだ。


特筆すべきはやはり、ジェニファーローレンスの素晴らしい演技だ。
一見不器用でエキセントリックで危なっかしいが、実は繊細で愛に溢れたティファニーという女性の魅力を、全身全霊で演じきっていた。