Ricola

世界にひとつのプレイブックのRicolaのレビュー・感想・評価

3.4
傷を負った者同士、その痛みを理解し心を通わせるのはそう容易くは…ないようだ。

ジェニファー・ローレンス演じるティファニーという女性の、突拍子もない行動とそのパワフルさの裏には心の傷があり、彼女によってパッドも現実と向き合う勇気を手にしていく。


ストーリーはありがちで、斬新さはあまりないが、安心して観られる優しくてあたたかい作品だった。

一応、変人と指摘されるパッドとティファニーの言動は印象的。
例えば、ゴミ袋をかぶってランニングするパッドはなかなか変わっているが、それを追いかけるティファニーも彼に負けず劣らずである。

パッドとティファニーに生きる原動力、そして彼らの心をつなげてくれるダンスは、とってつけたような設定だったのが気になるが、この作品の印象に残る部分ではある。

雨に唄えばのタップダンスシーンを見てダンスを練習しているのは、好きな映画が出てきて嬉しくなったが、ダンス初心者にはそれが参考になるのかは少し疑問だった。

家族のあり方、自分、そして自分以外の人々との向き合い方について考えさせられつつも、重すぎず観やすい作品だった。
Ricola

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