不自然なくらい頭おかしいやつしか登場しない。お話も結構とっ散らかってんだけど、脇役にロバート・デ・ニーロがいるから問題ない。彼がいれば脚本にアホが10人乗っても大丈夫。100人は無理ですよ。イナバ物置じゃないんだから。
ジェニファー・ローレンスは今作でアカデミー主演女優賞を取ってます。まあ良い感じにイカれてるし良い感じにエッチだし勿論好きなんだけど、名演技してたのはブラッドリー・クーパーの方じゃないかと思う。主人公に据えて然るべき絶妙なイカれ具合。なかなかできないっすよこれ。感情移入できるギリギリを攻めたイカれ方なんすよ。こういう地味な名演技してくれる俳優って好きよ。
クライマックスに畳み掛ける名シーン。ダンスコンテストの大騒ぎで爆笑したあと、すぐにジェニファー・ローレンスの表情が切ない気持ちにさせてくれる。彼女のナイスレシーブをロバート・デ・ニーロが渋くトスして、ブラッドリー・クーパーに最後のアタックを譲る。名優三人による華麗な三段攻撃。やられた完敗。なんて良いキスシーン撮るのよあんたって人は。
完璧とは程遠いけど、なんだか可愛くて偏愛しちゃう。そういう映画です。おれはそういう人になりたい。
