人生終盤の夫婦の愛の物語でした
序盤は静かな愛に満ちた夫婦の日々の営みが描かれています
やがて妻の病状が進んでいき困難な老老介護の現実が突き付けられます
身の回りのことがどんどん出来なくなっていき、世話をされている時の妻の表情で尊厳が壊されていく辛さが伝わってきます
アルバムをめくるシーンになんだか胸が詰まります
「もう終わりにしたい」という妻に「立場が逆なら?」と何度も言う夫
思いはすれ違っていますが遂には妻の意思に沿う行動に出てしまいます
衝動的にも見える行為でしたが潜在的には既に受け入れていたのでしょうね
彼らは経済的にも介護する人手も相談する相手にも恵まれています
妻の尊厳を護るための行為は同意し難いけどこれも夫の深い愛なのだと理解はできます
『こわれゆく女』を観た時も思ったけど夫婦の愛の形はそれぞれで本人たちにしかわからないものなんでしょうね
多分これを観た人は皆自分ならどうするか、と考えてしまう心に残る作品でした