スペクター

愛、アムールのスペクターのレビュー・感想・評価

愛、アムール(2012年製作の映画)
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脳梗塞?によって認知症&半身不随になった妻を旦那が献身的に介助する。
それをひたすら丁寧に見せていく。

幸せな人生の最期を迎えてほしいと思わせる夫婦だけに、現実は悲惨な方向へと進んでいく。
要因は外的にも内的にもある。
社会的地位が高くて有名なピアニストを教え子に持つピアノの先生だっただけに妻のプライドの高さが仇になったりとか、病院を信用してないこととか、介護士が良かれと思ってやったことが気分を悪くしたとか、妻の意志を過剰なまでに尊重して娘にさえ助けを求めないとか…。とにかくそれらが徐々に夫婦の首を絞めることになる。

ハネケの映画の中では受け入れられやすいと言われているけど、見たくない現実と主人公が最後に取った選択を考えるとやっていることはやはり胸糞映画。
日本でも似たような事件は起きている。

しかし、それだけじゃない。この夫婦を見守る優しい視点があるし、自分ならどうしてあげられただろうと考えさせられもする。
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