キッチー

愛、アムールのキッチーのレビュー・感想・評価

愛、アムール(2012年製作の映画)
4.2
久々のミヒャエル・ハネケ作品。
夫婦の愛に涙が止まりませんでした。ある日突然、病に倒れた妻を介護する夫、そして離れて暮らす娘。

2年前に病気で亡くなった父親のことを思い出しました。一緒に住んでいなかったけど、段々弱っていく父親を見るのが辛かったのですが、介護していた母親の気持ちとか、今更ながら理解出来た気がします。そして自分たちにも、決して他人事ではないと思いました。

ジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)とアンヌ(エマニュエル・リヴァ)はとても仲の良いいい夫婦だったと思いますが、愛だけでは乗り切れない問題がありますね。努力しても努力しても上手くいかない、娘(イザベル・ユペール)や雇った看護士に悪態をつかれたり、見ているだけで辛い愛する人の姿、悪夢で眠れなくなり、絶望感にうちひしがれる。でも、穏やかなジョルジュは一人で抱え込んでしまうんですよね~(/。\)

前半はゆっくり進行していきますが、後半は映像の見せ方が巧みで何回も、巻き戻して見てしまいました。ところどころ比喩的な表現もあるし、考えさせられます。
オープニング、エンディングもこの物語の抱える重いテーマを反映していたと思いました。

老夫婦を演じた主演二人は素晴らしい演技でしたね。徐々に身体も心も壊れていく妻を演じたエマニュエル・リヴァはあまり人に見せたくないようなシーンもあったと思いますが、全てをさらけ出すような演技。ジャンの不器用ながらも献身的、なにより穏やかで、妻への愛が伝わってくる演技。良かったな~。

最後は悲しいけど、少しだけ救われるような夢のシーンもありましたね。とにかく、もう涙、涙でした。