でしょうかな

汚れなき祈りのでしょうかなのレビュー・感想・評価

汚れなき祈り(2012年製作の映画)
3.6
ルーマニアの村、丘の上に建つ修道院。若い修道女のヴォイキツァは、同じ孤児院で育ち、ドイツから故郷に帰ってきたアリーナを迎え入れる。しかし、既に信仰に目覚めていたヴォイキツァは、一緒に外で働きたいというアリーナの望みに応えられない。やがてアリーナは異常な言動を見せるようになっていき…。

2005年にルーマニアの修道院で起きた悪魔祓い事件に基づく映画。
信仰か不信か、宗教の事件を題材にした作品といえば切っても切り離せないテーマだが、本作はどちらを悪ともしない中立の立場。言い切らないもどかしさはあるものの、あまりどっちつかずという不満は無い。むしろ、宗教そのものの問題というよりルーマニアという国自体の閉塞感が描き出されている。誰かが特別悪いわけではないが、各々の事情故に深く理解しあえなかったのが悲劇をもたらしたと言えるかもしれない。
上映時間が長いのが少々ネックだが、その分、長回しの演出が臨場感を産んでいる。
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