シュガーマン 奇跡に愛された男の作品情報・感想・評価

シュガーマン 奇跡に愛された男2012年製作の映画)

Searching for Sugar Man

上映日:2013年03月16日

製作国:

上映時間:85分

3.9

「シュガーマン 奇跡に愛された男」に投稿された感想・評価

踊る猫

踊る猫の感想・評価

4.7
大泣きに泣いた。いや、アラはある。失礼を承知で言えば主人公となったミュージシャンのロドリゲスの音楽は、リスナーとしての私からしてみれば結局ボブ・ディランに代表されるフォークの亜種としか言えないので、アメリカでヒットしなかったのも当然だろう(にしても、たった「六枚」とは!)。だから彼の曲が南アフリカでヒットした背景はもっと複雑なはずだ。そのあたり掘り下げが足りないというかあっさりし過ぎているという印象は否めない(このあたり、黒人差別問題について「私が」勉強不足なのだろうと思う)。だが、先に書いたことと矛盾するがロドリゲスの音楽はこの作品を聴き込むにつれて心に沁みて来るので、敢えてミュージシャンのサクセス・ストーリーとして省いたのかもしれない。だが、なにに驚かされるってロドリゲスの(これはもうネタを割っているが)「変わらなさ」! 超俗とした佇まいに唖然としてしまった。この作品は他者がロドリゲスを「見つける」までの過程であり、逆にロドリゲスが他者を通じて「自分を見つめ直す」過程なのだ。それは私たち自身がロドリゲスという鏡を通して「自分を見つめ直す」営みでもあるだろう。これ以上書くと長ったらしくなるので控えるが、敢えて自分の道を貫くロドリゲスはまさに「芸術家」なのと断言したい。それこそボブ・ディランのように……。
atsumi

atsumiの感想・評価

5.0
100点でも足りない
凄く良いドキュメンタリー映画だった。アメリカでのデビュー後、まったく売れずに表舞台から去ったロドリゲスが、本人の知らぬ間に地球の裏側・南アフリカでストーンズよりも有名になっていたという、まさに奇跡のような実話。正体不明のまま多くの南アフリカ人を虜にしたロドリゲスの本性をまるでミステリー映画のように追っていく構成が面白い。どんどん明かされていくロドリゲスがとても魅力的な人間で、それがまた素晴らしい。彼の心の豊かさが、彼のみでなく娘さんにも引き継がれているところにもグッときた。 ロドリゲスやその家族、南アフリカの多くのロドリゲスファンの「イイ顔」が忘れられなくなる、とても素敵な作品でした。
sharko

sharkoの感想・評価

3.3
奇跡‼︎

カッコいい人の話

このレビューはネタバレを含みます

ライブで大勢の人が映った瞬間に泣いた。ドキュメンタリーで人生が報われる瞬間を見られるなんて奇跡的。アパルトヘイトで民衆に力を与えてたときが報われたときだけど、ロドリゲスが実感したのはライブに出た瞬間だろう。だけどロドリゲスはその奇跡を極々自然に受け入れてて、それがまたかっこよすぎる。あれだけ大勢の観客を前にしたライブは初めてなのに、なにあの落ち着き様…。
インビクタスで一片の詩がマンデラを支え、連綿と託されてき、最終的に国に力を与えて創作物が持つ力に感動したけど、この映画でも全く同種の感動を味わった。
ドキュメンタリー映画ではあれど、その物語がシュガーマンを追い求め、その約束の地へ向かって辿り着いた高揚感を決して鮮やかではないが、体温を感じさせるライブシーンにて感涙させるエモーショナルな語り口。
よ

よの感想・評価

3.8
映画は観なくてもロドリゲスの音楽は聴け。そう言いたくなるドキュメンタリー。アメリカで全く無名だが南アフリカでは何故か記録的な大ヒットを得た謎の歌手ロドリゲス。その謎に迫る過程とロドリゲスの実体を描く。

ギミックはミステリー。謎に包まれたロドリゲスとそれを探す人々が結びついた時の感動は胸を打つ。ロドリゲスの素朴で純真な人柄も一役買っている。特にこれが真実で構成されているというところも大きい。

そして何よりこの映画はロドリゲスの歌の素晴らしさ無しでは成立しない。スレて文学的な歌詞とミステリアスな歌声。アイワンダー、シュガーマンあたりの曲はまさに名曲。
Ryosho

Ryoshoの感想・評価

-
スタイル(ルックスとかじゃない方の)が歳とってないから、彼は時間を忘れさせるパフォーマンスができたんだろうな。

ネットがあるから、恐らくこれから先は起こりえないことだと思うと、より感慨深くなった。いまは下積みがあったアーティストも、拡散力が早すぎて、あっという間に、リムジンにのって、ビバリーヒルズに家を建ててしまう。それとはまた違った展開を楽しめた。
たぶん彼はインスタでセルフィーあげたりはとかしてないんだろう。(調べてないからわかんない。でもやってるなら見てみたい)
Matsuzoh

Matsuzohの感想・評価

4.9
70年代にアメリカで2枚のアルバムを出したものの鳴かず飛ばずだった歌手ロドリゲス
しかしアパルトヘイト時代の国際的に孤立した南アフリカで彼の歌は支持されるが、彼に関する情報はあまりに少なく謎のまま

お互いの状況が伝わらないまま時が流れ・・・

いやあ、これは感動した

世界がつながりやすくなった現代にはもう生まれないような奇跡的な展開

そして鳴かず飛ばずで失意の日々を過ごしていたかとつい想像してしまうロドリゲスの生きざま・・・こちらも胸を打たれました

この映画を経てロドリゲスはどうなったのかな・・・と情報を探ってみると・・・

話の流れの中で省略されている事実があるのを知ってしまい、少し感じ方が変わってしまった
そこを省略したくなるのは分かるけど、ちょっとな・・・という印象にはなった

そこも踏まえても、素晴らしい作品であることには違いないとは思います
ロドリゲスという人の音楽性よりも、むしろ地に足のついた生活者でありながら、毎日のルーティンを楽しんで特別な行為に変えているところに心を動かされる。彼にとっては音楽もそのうちの一つなんだろうと思う。とはいえ、南アフリカでのライブ映像は感動的。
ただ一つの違和感は、反アパルトヘイトの英雄となりながら、出てくる人々や観客が全員白人であったところ。たった1人の黒人の登場人物は(タブー・レコードやかつてはモータウンの社長でもあった)サセックス・レコードのクラレンス・アヴァントのみ。この映画の中ではほぼ悪役だし。
このドキュメンタリーはただ美しい奇跡があったことを描きたかったんだろうけど、アメリカで全く無名だったロドリゲスがなぜ南アフリカで国民的英雄となったのか、もっと社会的背景を知りたいと思う私には少し物足りなく感じた。
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