takato

パラノーマン ブライス・ホローの謎のtakatoのレビュー・感想・評価

4.7
 2016年最後の方に待っていた、まさかの大傑作!。なんでティム・バートンがやってないの?という作風、むしろ良かった頃のティム・バートン魂に、より素晴らしいエンターテイメント性が注入されたバランスの良い作品になっている。ゾンビ物の相対化作品としても面白いし、魔女狩りに代表される全体主義の恐ろしさの物語にもなっているのだ!。

 暗くてホラーマニアで、死者と会話できる能力のせいで友達もいなし、いじめらっ子の主人公という時点で、あれ?ティム・バートンが関わってのか?というくらいそのままんな設定で初めからワクワクさせられてしまった。そっからの中盤すぎくらいの物語は、ギャグは冴えてるけど、そこまで感心させたわけではなかった。特に良かったギャグは、蘇ったゾンビ達が現代の世界の狂いっぷりを見て、ギャア~!!!と絶叫するシーン。被害者として、市民に狩り追われるゾンビというシチュエーションもニヤリとさせられたが、その後の展開で実は伏線になっているのには大感心。

 終盤でゾンビと魔女の正体が明かされた時点で、もう涙腺スイッチが入って涙がボロボロ、鼻水ズルズル状態に…。ネタバレになるから詳しく語れないが、見事に悪役の相対化になっているクレバーな設定だし、それがエモーションに繋がっているから最高!。最後にカーテンコールのような、一大フィナーレが入っていたら、オールタイムベストな一本に加えてもよかった。2016年の最後に是非ご覧ください。
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