魔人ブウとの壮絶な戦いの後、孫悟空は界王星にいた。
ある日、全宇宙のバランスを保つ破壊の神・ビルスが目覚めたという知らせが界王に届く。
気に障る事があると破壊の限りを尽くすビルスは界王や界王神からも畏れられていた。
退屈した彼はフリーザを倒したサイヤ人がいるという噂を聞きつけ、界王星にやって来る。
大人気コミック『ドラゴンボール』の、17年ぶりのアニメ映画。
劇場版18作品目。
原作のブウ編終了~最後の天下一武道会・エンディングの間くらいのお話。
なんとなくドラマCDな感じのシナリオ。
「べジータ様のお料理教室」のヒットを受けて次なる曲を創りましたって感じ。
当然『ドラゴンボール』を読んだことがある、見たことがあるという状態でない人が見ると、ついていけないであろう映画でした。
今までの劇場版作品って勧善懲悪の暗い内容が多かった。
とにかくゲスい敵を叩きのめす!的な感じの内容だったけど、今回の作品の敵は「完全悪」というより「純粋な破壊」を楽しんでいる感じ。
性格的に初登場時の魔人ブウと似てるかな。
ノリが初期作品に近いギャグテイストだったけど、鳥山明が携わってるだけあってキャラに違和感ないし、娯楽作品に徹していたので楽しかった。
・・・けど、昔の劇場版の様な勧善懲悪のシリアス展開を期待した人は肩透かしだろうなぁと思う。
『ドラゴンボール』を好きな人の中には、世界の命運や仲間の命を賭けた超シリアスなバトルを期待して観た方もいるでしょう。
そんな人はちょっぴり落胆したかもしれません。
話は基本、破壊神が怒ったら地球が簡単に滅ぼされるってんで、誕生日パーティにやってきた破壊神を怒らせないようにする。
とはいっても、ドラゴンボールを盗もうとするちびっ子強盗団のドタバタがあったり、本筋とは関係のないような大騒ぎが結構続いて、ファンでないと相当退屈な中盤でした。
というか、地球が破壊とか相当ヤバイのに緊張感が足りなさすぎる。
スーパーサイヤ人ゴッドというのも、どういう仕組みで誕生するのかとかも簡単すぎるような感じを受けました。
誕生日パーティでドタバタしてるところより、スーパーサイヤ人ゴッドのリアリティの設定をしっかりと描いてほしかったです。
好きなキャラのピッコロさんの活躍も少なく、サイヤ人主体の展開になっていたのが残念。
また、若返ったピラフ達の登場で、”GT”もなかった事になりました。
しかし、悟空たちの戦闘力がハイパーインフレしているので、神様くらいしか相手がいない状況。
そのなかで破壊神という存在を出したのはナイスアイデアだと思いました。
総評としては、スカっとした感じはないものの、今までのキャラも沢山出てきたし、曲が流れたときはテンションが上がったので、ブランク明けにしてはまずまずって感じです。
破壊神相手といえど、ヤられるかもっっ!?とかそーいうドキドキ感があまりないのがちょっともったいない気がしましたが。