小島秀夫監督のゲーム『DEATH STRANDING』でマッツ・ミケルセンに魅せられて、彼が主演の映画ということで、内容も全く確認せずに鑑賞。
「大好きな保父さんに自分の『好き』という気持ちを受け止めてもらえず、ちょっと困らせようとつい口走った嘘。それが、大好きな彼の生活を一変させるものとは思いも寄らず―――。」
子どもの嘘から小児性犯罪者扱いにされ、コミュニティから迫害を受けることとなる男・ルーカス(マッツ・ミケルセン)を描く。子どもの言葉だけが信じられ、ルーカスがどれだけ弁解しても聞き入れてもらえずに変質者扱い。小さなコミュニティにおける「私刑(リンチ)」の、なんと恐ろしいことか。子どもの言葉だけを鵜呑みにして、無実の男を責め立てる光景は見るに堪えない。
そんな孤立無援かと思われる中でも信じ続けてくれる仲間や息子の、なんと眩しいことか。特に、息子・マルクスが父親の無実を主張するために、孤軍奮闘する姿には胸を打たれる。
また、自分の娘の虚言であることに気づき始め、とんでもない事態になったことに苦悩するルーカスの親友。そしてクリスマスの夜、苦しみで爆発した親友・ルーカスの感情を真正面から受け止めることとなり・・・やるせない両者の姿は涙なしでは見られない。
ラストも印象深いものとなっており、お勧めしたい作品なのだが・・・精神衛生上よろしくない展開が続くので、なかなか難しいところ。