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偽りなき者のbabybopのネタバレレビュー・内容・結末

偽りなき者(2012年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

感情的にならない、受け身の主人公になぜもっと反発しないんだ。
とイラついたり悲しくなったり。監督とか脚本家にうまく感情を弄ばれた。
作り手の術中にはまり、見終わった後の気分は思惑通りという感じ。
とにかく映像が全体を通して撮り方が綺麗で統一感があるので、ぼーっと見てるだけでも飽きない。そして主役役者が当たり前だけど演技がうまい。
捨てる者がいるが、救うものもいる安心感を与える脚本。
それで物語にはがっつり引き込まれた。
最後だけがとても難しかった。色々考えられる終わり方だった。
戻った平穏は偽りだ、一度壊れたものは小さな綻びでまた粉々になる。見せかけの平穏に騙されるな。自分を裏切った人達への感情を忘れるな、甘んじるなっていう警告。という意味合いなんだろうか。
単純にまだ有罪を信じるものがいるっていうシーンだろうけど、緊張感が解けた頃の発砲音が観客への警告音にも聞こえて色んな意味でハッとした。とても効果的だった。
あの後の彼の感情は悲しみか、怒りか。どんな方向へ転じるか想像するのも面白い。
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