Zuma

偽りなき者のZumaのレビュー・感想・評価

偽りなき者(2012年製作の映画)
3.8
小さなコミュニティ


今作の最大のテーマは村八分ということに尽きるだろう。


全体を見た時に、嫌われ者が必要なのかもしれない。
みんなで仲良くやっては行けないものなのか。
そんな綺麗事で収まるような単純な世の中でないのはわかっているがかなり心苦しく、やりきれなく、胸糞が悪い。


演出的にもかなり、皮肉がこもっていてあげて落とすそんなやり口にまんまとハマってしまっていた。


社会的な束縛が、人を苦しめ
邪推が真実となり、まるで伝染病のように広まってゆく。
悪い噂ほど出回るのが早いものはなく、落ちた信頼ほど取り返すのが難しいものは無い。
論拠のない事実を、解決してもなお周囲の中に漂い続ける疑念。
とかれることの無い束縛に、やり切れない気持ちが態度が、、。
マッツの演技に魅せられた。


時間しか解決してくれるものは無いのだろうか。
果たしてそれは、まかり通っていいものなのだろうか。
幸せ者や目立つ人になるということは、その反面恨みやねたみの対象になる。
人間の薄汚い部分がたくさん見られて良い作品だなぁと思った。


持つべきものは友人だ。と、終盤気づいたがそれも束の間衝撃のラストで、鑑賞者たちは疑念の渦に、困惑の中へと誘われる。
何とも後味がよろしくないものの、これがリアルかと言わんばかりの素晴らしい作品だったように思う。
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