ぬまつ

偽りなき者のぬまつのネタバレレビュー・内容・結末

偽りなき者(2012年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

主人公のルーカスやその息子のマルクス、そして嘘をついたクララも不憫でなりませんでした。
クソガキに影響され、一時の不安定な感情で嘘をついてしまったクララ。その嘘をまんまと信じてしまった周りの大人たち。
その後クララは「嘘だったの」という「本当の話」を打ち明けるものの、その本当の話は信じずにさらっと聞き流してしまう大人が印象的でした。

衝撃的な展開が続きました。
息子まで追い詰められ、さらには大切にしていたものを殺され…。
大人の愚かさが見事に表れていましたね。ラスト5分まではかなり感情移入しました。素晴らしい作品だと思いました。

ただ、そのラスト5分で評価ダウンです。

クララの父親でありルーカスの親友であるテオ。
最初はクララの嘘を信じ、周りのみんなと同じようにルーカスを避け続けていた。
しかしボロボロになっていくルーカスを見て、周りのみんなにはなかった、気の毒だ、彼はやっていないかも、心が痛む、という感情が芽生え始め、最後ルーカスからボコボコに殴られながらも、彼を受け入れた。
そのシーンがとても感動的でした。

救われるシーンはそれだけのほうがよかったです。あのシーンで終わってほしかったくらい。
なのになんであそこまで大幅に救われるラストになってしまったんだろう。
あんなに避けていたんだからさ、そのままでいいじゃん。
そうじゃないなら、そうなった過程をちゃんと描いてほしかった。
あの余計に救われるラストはいりませんでした。

まあ最後の最後は怖い最後でしたけどね。
ぬまつ

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