広島カップ

天使の分け前の広島カップのレビュー・感想・評価

天使の分け前(2012年製作の映画)
3.9
ケン・ローチ監督、相変わらず底辺で生きる人達に対して温かい眼差しを向けて来ます。

暴力沙汰を起こし更正の為に社会奉仕を言い渡されたグラスゴーの青年。
恋人との間に子供も産まれたこともあり真面目に更正しようと彼なりに頑張ります。
更正の為に青年が高額のウイスキーを失敬しようと画策するのが本作のポイントでこういったストーリーを通しての物言いがユニーク。
「それでもいいんだよ」と言うケン。
懐が深い。

"天使の分け前"という言葉の意味が実に"美味い"。
ウイスキーの樽からは毎年2%程度容積が自然と失われるらしいのですが、これを天使の…と言うそうです。
もう少し正確に日本語で表現すると"天使への分け前"でしょうけど…
底辺で更正しようとする青年を天使に見立ててこれとかけている訳です。

「お前達頑張れよ!」
ポンっと青年の肩を押したラストでした。
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