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リンカーンのmasayaanのレビュー・感想・評価

リンカーン(2012年製作の映画)
4.4
映画評論をやっている友人から、「スピルバーグの『リンカーン』を見ろ」「いいから見ろ」「早く見ろ」と呪文を唱え続けられること2年あまり、「いやー、ぶっちゃけタイミングが分からんわー」と思っていたところ、南北戦争モノの西部劇を何作か見ているうちに、次第に自分の中でもモチベーションが高まってきたので、連休だったし思い切って『グラン・トリノ』と梯子しました。

ある意味ではアルドリッチの『カリフォルニア・ドールズ』と同じく、最終的な目標、あるいは大義のためにはいくらでも手を汚すぜ、というある意味では姑息な、政治の実際的な段取り・根回しがエンタメ映画(=フィクション)として昇華されている。上品でウェルメイドな文体は個人的な好みとは言い難い部分もあるのだけれど、「世界中の人々、また未来のアメリカ人が見ている前で、今、人類として恥をかくわけにはいかない」という執念がすごい。

映画として、というよりも、おそらくは伝記的なフィクションとして感動したのだけれど、それでもなお、「感動大作」というすげー嫌いな言葉が嫌味なくフィットする感動大作です。