「Killing Them Softly/ジャッキー・コーガン」
世間とのギャップを感じずにはいられない。変な映画だけど、どんどん好きになっていく味わい深い作品。
みんながみんな好きなんていう映画ではないのは百も承知だけど、この映画をつまらないとい言われると、イラっとする。僕は傑作だと思う。
サブプライムローン問題・アメリカの金融危機をギャング抗争に置き換えた作品であり、それに関してはパンフレットやDVD特典のインタビューにも書かれてあるし、それは明らかなのですが、それを抜きにしても面白くないですか?
レイ・リオッタのボコられ方とか、生々しい暴力による凄惨なリンチの音がたまらない。
スカッと晴れないニューオリンズの空の下で進む、どうしようもない連中が、どうしようもない連中を襲うという、どうしようもないずさんな計画。そして、死と暴力を流すように降り続ける土砂降りの雨。
自由の国アメリカ?
いえいえ、保険もクソもへったくれも無く、自分の身は自分で守らなければならないのが、自由の国アメリカ。
隙を見せれば喰われるし、調子に乗れば脚を折られる。
そんなの、我が国ニッポンだって同じだったのです。
AKB、韓流、Halloween、X'mas、Valentine...広告会社の商業戦略に喰われっぱなし、結果ファンもアンチも流行という化け物に良いように踊らされる。
(プロフの画像を青白赤の染めよ!サー、イェッサー!)
北欧家具を揃えようが、スタイリッシュに決めようが、不思議ちゃんを気取ろうが、情報通になろうが、「イイね」をいくらもらおうが関係ない。
調子に乗った瞬間に、出る杭は打たれるのさ。ジャッキー・コーガンにね。
打たれたくないのなら、
杭を打つハンマーが届かないところまで出まくろう。
今こそ本作と「ファイト・クラブ」を観て、何もかもを投げ捨てよう、そして思い知ろう。
自分の身は自分で守らないとあきません。右に倣え、ばかりでは埋もれるだけです。
アメリカも日本も国家ではないし、もしそうだったとしても、国家は結局のところ誰も守っちゃくれません。
人生はビジネスだ!家出ろ、働け、宿題やれよ、飯食えよ、歯みがけよ!
シュールに負けんな!(笑)