教授

ジャッキー・コーガンの教授のレビュー・感想・評価

ジャッキー・コーガン(2012年製作の映画)
-
面白いか、面白くないか、みたいな二元論で、大雑把に自分の感情を捉えているとどうしてもこういうテイストの作品はこぼれていってしまうのかなぁと思う。

地味というのも違うし、淡々としているというのも違っていて。
本作は概ね退屈で、起伏もなければ人物の描写も不安定で、のらりくらりとした画面では確かな緊迫感みたいなものは持続している。
ある意味でゆるく流れる時間の流れと反して、画面の中の出来事は切実なものになっていく。
風刺が効いているようで、効いていないようで。
センスがいいのか単にバカなのか、非常に意見が分かれると思う。

冒頭の強奪シーン。
あまりに雑な準備とボロボロの身なり。
賭場にはパリッとした悪い連中がギラギラとした表情をひとまず押し殺している。

この2人はそういう現実感もぼんやりして、自分が犯しているミスやツメの甘さにも気づいていないのだけれど、既に、暗示的に悲しい。
絶対にうまくいくわけのない思慮の浅い行動。

そこから物語がドライブするようなスピンするようなとにかく不安定なバランスで話も進んでいるのか進んでないのかわからない。
ベルベッドの「ヘロイン」に乗せて(しかもイントロだけ)のヘロインでトリップしたりかなり際どいセンス。

さらにブラッド・ピット演じる殺し屋による暗殺シーンも、ジェームズ・ガンドルフィー二演じるもう1人の殺し屋のポンコツっぷりも。

ブッシュとオバマによる大統領選も挟み込まれて、メッセージはわかるようなわからないような。

嫌いにはなれないけれど、ちっとも面白くはないです。
教授

教授