サムカワ

図書館戦争のサムカワのレビュー・感想・評価

図書館戦争(2013年製作の映画)
4.4
「無法には無茶で対抗する」


日本のトム・クルーズ、岡田准一兄貴の極上アクション!!

終盤の銃→格闘のバトルがハンパない!!
あの背面に飛びながら蹴るの、人間にできる技なんすね……。



物語テーマもすごく好きです。
犯罪が起きたとき、真っ先に標的になるのは本や映画のアート類。

それらに罪はないのに!!ってやつです。

目の前で本を燃やされるシーンとか、クッッッソー!!!!ってなりました。

やはり佐藤信介監督!丁寧な描写の積み重ねによる感情移入のさせ方が随一ですね!!


銃器描写もかなり凝っていました。
とくに最初の戦闘のスタートとなる射撃は、ガンファイヤーがピカッと見えて、直後もうこちら側には着弾、それから銃声が聞こえる……という恐怖の主観映像となっていて、思わず「おぉ!!」と声を上げてしまいました。

小田原戦での後退してゆく恐怖感、切迫感が、空間が狭まるほど高まり、ガンアクション映画としても最高です。


ただ"戦争"となると……。

本作においての戦闘は開始時間と終了時間が決まっており、終われば薬莢を回収したり、掃除をしたりと現状復帰も行う。
民間人から「戦争ごっこだろ」と揶揄される場面もあるほど、ある種スポーツ的なスタイルでもあります。

しかし、実際は人死も出てるほど残酷なもの、つまりはガチの戦争と同じなんだよ!
というのが本作での戦争表現ですよね。

にしては、その人死が間接的にしか描写されないので、あまりその説得力がなく、先述した小田原戦でも、迫力はあるし、切迫感もあるが、実際人が死ぬとは思えない、どこかサバゲー感すら感じてしまう、というのが引っかかりました。


レーティングの問題もあるとは思いますが、それこそ本や映画の表現の自由さを訴える本作のテーマに反してないですかね……。

ってこんなこと作り手のみなさんは百も承知で頭を抱えた部分だと思います。偉そうにすみません。


あとほんとしょーもないことですが
昭和の次の年号が"正化"って
昭和とイニシャルかぶるんで、年号としては不向きだな〜って。
サムカワ

サムカワ