Azuという名のブシェミ夫人

ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮のAzuという名のブシェミ夫人のレビュー・感想・評価

4.0
18世紀のデンマーク王室で実際に起こったスキャンダラスな事件。
デンマーク王クリスチャン7世の在位中、その妻である王妃キャロラインと王の友でもある侍医ストルーエンセの禁断の恋・・・。

ビックリしたー。
マッツ・ミケルセン目的で、単なる不倫恋愛ドラマかと思って軽く見始めたら、とんでもなかった。
あらゆる人間の感情や思想が絡む大河作品じゃないか!
何だよー!良かったよー!

『アンナ・カレーニナ』とか『マリー・アントワネット』が華やかだけどちょっと期待外れだったのに対し、こちらは地味だけど、一人ひとりが魅力的で丁寧に描かれていて深い!!
確かに物語の核というか、物事が動き出すきっかけは不倫だけど、この邦題の感じとか不倫の愛全開に漂わせたジャケットはもったいないと思うなー。
この不義の二人だけでなくて、王クリスチャンとストルーエンセの複雑な友人関係、王自身の人間性、全員が抱く思想、そういうの全部取りいれた脚本が良いんだもん。

マッツ・ミケルセンの静かさの中に熱さを湛えた魅力が素敵♡
どこがって言われると上手く説明出来ないんだけど、なーんかとってもセクシーな人だわマッツ。
アリシア・ヴィカンダーも可憐な少女から、気丈な女性への成長が良かった!
で、一番驚いたのがミケル・ボー・フォルスゴーの王クリスチャン。
一つの作品で、これほどコロコロ見る目が変わる人物はなかなか居ない!
一番の加害者であり、被害者である。
最初ムツゴロウさんみたいになってたから笑っちゃったけど、なかなか侮れぬ!

人々が国を創るのか。
国が人々を変えるのか。
愛が、野望が、人を育てるのか・・・それとも滅ぼすのか?
むずかしい。