さすらいの旅人

私のオオカミ少年のさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

私のオオカミ少年(2012年製作の映画)
3.7
雪だるまは時間を超越した愛の証だ。 CATV/LaLaTV 過去録画視聴。

前評判が高い映画であるが未見だったためやっと鑑賞。
ファンタジー映画なのでもっと夢のある映画と思ったが、リアルな描写も多くSF映画に近いと感じた。
しかし、そこは韓国映画であり、しっかり涙のラブロマンスに仕上げていた。泣かせ方のプロセスもうまい。

作品中多くの子供たちが登場し、草原で遊ぶ姿は日本で言う昭和レトロ的感覚でノスタルジーを感じさせる。舞台の山奥の洋館の家は、作りが童話的でメルフェンチックだ。
オオカミ少年物映画は多くあるが、本作はコミカル的なものと変身アクション、そしてロマンスを組み合わせたもので、世代を超えて観られるエンターテイメントになったと言える。
特に面白かっのが、主人公のスニが犬の訓練書を参考にオオカミ少年に接するシーン。犬好きにはあるあるで共感できたと思う。

個人的に残念だったのが、悪人の描き方。要するにしつこくて、懲りない性格の悪人だ。少年を嫌な方法で陥れる場面が多すぎ。悪さをしても最後に主人公と少年を助けるような、後味の良いシナリオにしてほしかった。何故なら、ファンタジー映画だから。
研究者や軍人などのリアルな世界が混同していたが、その世界観について私は好きだ。

ラストについては賛否両論だと思う。現実なのか妄想なのか。ファンタジー映画であるので深く考えなければ問題ないとは思うが…。個人的にはもう少し別な描写でファンタジー色を前面に強く出してほしかった。

あと、スニ役のパク・ボヨンは病弱ながら心やさしい少女を好演。ほとんどセリフのない少年役のソン・ジュンギも表情の演技が上手くて良かった。