メントール犬佐

劇場版SPEC~結~ 漸ノ篇のメントール犬佐のレビュー・感想・評価

劇場版SPEC~結~ 漸ノ篇(2013年製作の映画)
3.6
高まるゥゥ〜〜〜〜!!!

SPEC「天」の欠点はほぼクリアされているんじゃないだろうか。もちろんTVシリーズありきの、TVシリーズファンサービス映画であることには間違いないけれども、今までTVシリーズの遺産を食い散らかすような劇場版ばかり撮ってきた堤監督にあるまじき秀作。やればできるんじゃんバカ!はやくやれよバカ!バカ!風邪ひけバカ!

常套手段だった薄ら寒い劇場版仕様のギャグも封印し、あくまでもTVシリーズのフォーマットの上で、しかしTVシリーズでは確実にやれない事をちゃんとやっている。そうでなければ何故劇場版をイチイチ作る必要性があろうかってもんである。笑いの量こそ少ないものの、ファンが求めていたものは基本的にはこの不気味さとコメディのハイブリッド、それはケイゾクしかりTRICKしかり常に同じだったはずだ。やっと劇場版としての分量が正しく軽量されたという感じがある。

かなり色んな映画を研究したんであろう、借り物感は否めないとしても、構図や画触りも天と比較すれば飛躍的に良くなっている。そもそものオリジナリティの部分はTVシリーズでしっかり発揮されているんだから、劇場版だからといって不必要に欲をかく必要はなかったんである。キャラが殺されていない、だから物語にそって躍動できている。

個人的にはシリーズ番外編からの参戦とはいえ北村一輝演じる吉川の復活は嬉しかった。あ、これネタバレか。まぁいいや。やっぱりこの人はこういうデフォルメされた役が巧い!イケメン殺人鬼なんてやってる場合じゃねーっすよ。復活理由も復活の仕方もSPECらしいバカバカしさで凄く良かった。こうでねーと!

天であまりにもあまりだった甘納豆な台詞も影をひそめ、回想シーンのくどさを除けばほぼほぼ文句の無い仕上がりである。いや、まさかTVシリーズからの回想はともかく、本編でさっきやったばっかりのシーンを回想シーンとしてぶっ込んでくるとは思わなかったんで流石にお前尺稼ぎにも程があるぞとは思ったけれど、まぁそれも許そう。

とはいえ前後編モノであるので、このレビューも後編に続くのである。風呂敷サイズに見合った画は出来た。キャラはとうの昔に立っている。あとは文字通り、どう結ぶか。

クエッ!