あましお

そして父になるのあましおのレビュー・感想・評価

そして父になる(2013年製作の映画)
3.9
この家族にとって、子供の取り違い事件は「あってはならなかったこと」なのか、「あって良かったこと」なのか。

普通は、あってはならない、と即答するだろうけど、
この家族の場合を考えると、、簡単に答えが出せなかった。

自分がみどりだったら、ゆかりだったら、どうするだろう。
どっちのほうが”良い家族”なんだろう。
“良い家族”ってなんだろう。
自分の家族は”良い家族”だっけ。

本当に、答えがない問いばかり浮かんでくる。
何回見ても答えはわからないし、
立場が変われば答えも変わる。
いま子供がいる友人たちは、どんな気持ちで毎日子供たちと向き合ってるんだろう。

子供が生まれた=父になる
ではないんだな、ということがとても印象的だった。
是枝監督自身の体験談を見ると、より理解できた。

独身子供なしの私は、自分と照らし合わせながら見るというよりはひたすらイメージしながら見ていたが、
ゆかりが慶太を抱きしめたシーンを見て、
いつか子供が生まれたら、6歳になっても、16歳になっても、ちゃんと抱きしめたいな、と思った。
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