HAL8192

そして父になるのHAL8192のレビュー・感想・評価

そして父になる(2013年製作の映画)
3.8
父親になる瞬間の物語。

病院の取り違えによって、自分の子供ではない子を我が子として、6年間育て上げた後に取り違えが分かるところから物語は始まる。

取り違え問題の病院の落ち度のお話ではないので、そこの所は少々あっさりしていたが、内容はドッシリしたものがある。

まず、主人公目線は完全に仕事人間でエリート街道を突き進む男として描かれて彼なりの不器用な父親像を歩んでいる。

反対に相手側は古びた電気屋で、けっして裕福ではないが、とてもコミュニケーション豊かな父親を演じている。

この二人、福山雅治とリリー・フランキーの演技のギャップというか人間性の違いがとてもよくできていた。

逆に母親目線でこの物語を見ると夫の考えに寄り添った主人公側と主人を引っ張る妻とこちらも対照的。

また子供も主人公側のおとなしい優しい子と全く逆のヤンチャ坊主のギャップも対比的に映し出されている。

ここまで、わかりやすく対比的に配置されると親切すぎる気もするが、それぞれのキャラクターが際立っているとも言える。

物語全体は意外と期間の長い話となっていて、簡単な物語ではなく、故に終わり方もなんともいえない後味のものになっている。

特に中盤以降ある選択を決めた主人公視点からもキッチリ描かれているのが特徴的で、物語の根幹をきっちり掘り下げている。

そしてなんといっても主人公の父親になる瞬間と私が思わされたシーンは良かった。
(6年間は…………)