なべ

そして父になるのなべのレビュー・感想・評価

そして父になる(2013年製作の映画)
3.7
《是枝裕和》監督 カンヌ国際映画祭審査員賞受賞作品。監督の作品は内容が深過ぎて深すぎて…。演技面では非の打ち所無し!パルムドールを獲った『万引き家族』は期待で胸が弾みます。

「6年間育てた息子は他人の子でした。」
昔は現在と比べて赤ちゃんの「取り違え」が多発しており、後々他人の子だと判明する件が多く起こっていたそうです。今作はそんな「取り違え」を題材にして本当の家族・絆・本当の意味での子どもの幸せ・そして“父親”の在り方 について多視点からアプローチしています。

つくづく思うのは大人の“なんででも”は子どもに通用しないということ。交換に対し「なんで?」と子どもの純粋な質問を大人が説明できないのに子どもが理解出来る筈もなく。しかし言葉で説明できない事情や入り組んだ複雑な理由を子どもに教えるのはもっと難しい。即ち「取り違えてたから交換」という簡単な理屈では解決できない。ある意味正解の無い問いの答えを考えてるのと同様で、そういう機微って教科書には載ってないし毎日の生活の営みから少しずつ理解出来るもんだと思うので…難しいなぁ。言葉の重みについても考えさせられるし《是枝》監督作品って「凄い」という言葉に限りますわ。

監督はこういった複雑な人間の機微を繊細に且つ丁寧に描くのが本当に巧いので、文化財扱い&教育の一環で人としての在り方を考えるキッカケとして生徒や学生に絶対観せた方がいいと思います。もろ道徳やもん!