にゃんこむ

そして父になるのにゃんこむのレビュー・感想・評価

そして父になる(2013年製作の映画)
4.2
家族ドラマ系の邦画って苦手意識があって、『万引き家族』も見る事はないだろうなぁと思っていましたが、アマプラでこの作品を見たらなかなか面白くてハマりました。

子供の取り違えを扱った作品ですが、主題は今まで子供と向き合って来なかった良太(福山雅治)がどう子供と向き合い父として成長するか、というお話だと思いました。

取り違えられた両家族は両極端で
野々宮家は子供にピアノを習わせたり小学校受験をさせたりという典型的なエリート一家。
斎木家は電気店を営む子沢山な一家で、決して裕福ではないが、わいわい楽しく暮らしている。

私は斎木家の方が人間味があって好きです。それに、いざ転落した時に助けてくれる人がいて、生き残れるのはこちらの家族だと思います。
野々宮家は逆に、将来高給取りになるとは思いますが、人との繋がりは希薄で転落したが最後、精神を病みそう……。

大人たちの演技もさることながら、子役二人の演技がとても自然体で素晴らしい。

結末がはっきりしない終わり方は、普段はあんまり好きじゃないんですが、この終わり方は前向きで良かったと思います。

作中で頻繁に出てきた『血のつながり』
私の家は子供はいませんが主人と猫二匹で、誰も血は繋がっていません。だからこそ、『家族』=『血のつながり』というのをいい意味で否定してくれたこの作品が好きです。
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