順慶

そして父になるの順慶のレビュー・感想・評価

そして父になる(2013年製作の映画)
3.7
公開当時、小学生のひとり息子がいる身としては観るのが怖かった。自分の息子が他人の息子なのかという心配はあまりなかった(イヤなところばかり似やがる)が、同じ境遇になれば自分ならどうするか? リアルに問われるような気がしていた。

今さら観たからかもしれないが、杞憂だった。逆にちょっと肩すかしだった。リリーフランキー家との対比が極端で、エンタメ感もあり、「万引家族」につながるテーマ性(血のつながらない家族)も一貫していた。

「父になる」とはどういうことなのだろうか?
お金を稼いで、家族を裕福にされること、情操教育にいそしむ福山雅治。子どものためという親の欺瞞。ぬおー。おれはどっちもできてないぜー。

息子が入れ替わっていたという事件をきっかけに福山雅治が父親に成長していく物語。
父親もなった福山も自分の父親の姿を見るしかなくて、そうはなりなくないと思いながら同じことをしている。

この映画では、リリーフランキー家を良しと描いているように見えるが、それも一面に過ぎなないと思う。それでもリリーフランキーのセリフに福山といっしょに「はっ!」とさせられた。おれは「父になっている」のだろうか?
順慶

順慶