広島カップ

そして父になるの広島カップのレビュー・感想・評価

そして父になる(2013年製作の映画)
3.5
「子供は産むより育てる方が何倍も難しいです。産みの親より育ての親です。育ての親が本当の親です」

授業中、そのように語気強く熱く語ったのは私が高校一年生の時の生物の教師であった石井先生。
当然ですが世間知らずだった当時の私はこの言葉の重さなんて理解できませんでしたが、何故か心の中にずっと残ったまま大人になりました。
家族を持つ身になってこの言葉は間違いないと今は確信しています。

ある程度子供が大きくなってから病院での子供の取り違えが判明した二つの家族。
両家族にとって非常に難しい問題がある日突然目の前に出題されました。
果たしてどの様な解を両家族は出すのでしょうか?
私が持っている物差しとは違う解答が示されるのか?と始めからそうした目で物語を見守りました。
絶えず家族の在り方に関する問いを投げかけ続ける是枝監督が出した答えは...

子育てとは何だ?父親とは何だ?難題の解を求めて苦しむ両家族。とりわけ福山雅治演じる父親がその問いを通じて人間的に成長して行く姿が監督の答えなのでしょう。
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