Makoichi

クロニクルのMakoichiのレビュー・感想・評価

クロニクル(2012年製作の映画)
4.1
基本はPOV(キャラクターの持つハンディカムの視点)なのだが、一つのカメラだけでなく、別のキャラが持つカメラだったり、監視カメラだったりと状況に応じて切り替わる。また、キャラクターの位置関係を含めた絵を見せたい時は通常の映画としての視点も挟み臨機応変に表現している。
そんな親切設計な映像表現のおかげで、POV特有の画面酔いなどは起こりにくくなっている。

主人公がカメラを回し続ける理由(心情)も描かれている為、説得力もあり、また視点が主人公カメラではなくなる部分にも意味を持たせる上手い構図になっている。

未熟な若者が超能力を手に入れてしまったというストーリー展開は冒頭からとてもヒヤヒヤ物で、嫌な予感しかしないw
それがカメラワークと相まってリアリティを生み、ホラー以外での新たなPOVの可能性を引き出す事に成功している。

マーヴェルやDCにも通じるところがあり、「大いなる力」には責任が伴い、また本人の精神次第で善にもなるし、悪にもなり得るというテーマを、割と「重め」なストーリーで表現している。
…そう、その「重さ」がこの作品の魅力でもあり、欠点にもなりうるのだ。
Makoichi

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