このレビューはネタバレを含みます
「TOEI HERO NEXT」第3弾。
仮面ライダーや戦隊などキッズ向け特撮番組出身イケメンヒーロー俳優のネクストキャリアの為の映画シリーズである。
タイトルの「恋する歯車」は、謎の年上女性とのロマンスに溺れながら、警察の苛烈な尋問で獄死した革命家の血を受け継ぐ革命勢力のホープとして担ぎ出される主人公の境遇そのものを指す。
主人公は『海賊戦隊ゴーカイジャー』のゴーカイレッドこと小澤亮太。警察が彼の両親の獄死を隠蔽し、辞職警官を育ての親としていたという、出生の秘密を抱える複雑な役どころを演じる。ゴーカイシルバーこと池田純矢は、クレイジーな革命家として彼をテロ活動に引き込む。果たして彼は実親の運命を引き継いで、社会に弓引く危険な革命戦士となってしまうのか?
……いやいやいや、東映の白倉プロデューサーさんよォ〜、この設定は、発想が半世紀近く古いんじゃないか〜い???
さすがに企画レベルでの無理がある中、残念ながら、この時代錯誤な荒唐無稽さを、リアルな大人のドラマとして成立させる為の俳優の演技力も、制作陣の演出力も足りないのであった。
さらに本作と前後して小澤亮太はプライベートなスキャンダル(元ホストでDVだの隠し子だの)で爽やかイケメンのイメージにケチがついてしまったし、東映としても慣れないことやるより既存特撮作品のスピンオフ出す方が余程良いと分かっているであろうから、もうやらないんだろうなぁ……