emily

チェリーについてのemilyのレビュー・感想・評価

チェリーについて(2012年製作の映画)
3.2
18歳のアンジェリーナは親の愛にも恵まれず田舎で彼氏に紹介されたヌードモデルの撮影で手にしたお金を握りしめ、親友の男とサンフランシスコへ。そこで徐々にポルノの世界へ足を踏み入れていく。弁護士の彼氏ができたが彼は麻薬に溺れていく。

ヌードモデルの撮影から徐々にエスカレートしていく。その過程は自然体で、環境による必要性よりも生まれ持った天性に導かれるように、生き生きした表情を見せてくれる。

アンジェリーナを演じるのはアシュリー・ヒンショウ。聡明感のある美しいさと色気が全身から漂っており、その美貌を肉体を持て余しているように感じられる。彼女を取り巻く環境は確かにポルノに染まって行く理由の一つではあるが、決してそうではないこと、それはただのきっかけに過ぎず、これは彼女が自分自身でいられる場所なのだ。

そこにカメラマンで同性のパートナーが居るカメラマンの女性ヘザー・グレアムのエピソードが交差する。彼女もまた自分の仕事に誇りを持っており、パートーナーとの格差に苦しめらている。彼女とアンジェリーナが共感し合えるのは言うまでもない。

これが私の居場所。たとえ周りがどう思おうと、これが私の仕事だと胸張って言えるものに出会え、それをものにすること。ラストの笑顔には強さと誇りが溢れており、未来への希望に包まれている。

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