KANA

バーニーズ・バージョン ローマと共にのKANAのレビュー・感想・評価

4.0
気軽なラブコメだと思って観始めたところ、何が何が!後半なんてずっと噛り付いて観てた。描いてるのはどこにでもいそうな(ダメ)男の半生なのに。何十年という壮大なタイムスパンが表面的にはコメディタッチの人間ドラマを重厚なものにしてるのかなぁ。かといってシリアスというわけでもなく、感動の押し付けもない。グダグダもメリハリも同量に傍観させる。この客観性を失わないバランス感覚が達観した人生観を漂わせ、観る側のハートを掴むのかも。誰もがバーニーの人生のどの場面かには「あるある〜!」って共感するんじゃないかな。
ポール・ジアマッティとロザムンド・パイクの趣のある演技にじんわりきた。誰かさんの腹上死には爆笑。
うまく言えなくてもどかしいけれど、ラブコメというよりユーモアも悲哀も詰め込んだヒューマンドラマで、『愛と追憶の日々』とか『ガープの世界』を観た時に限りなく近い感覚を覚えた。大人向けの愛すべき秀作。
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