かつてはUKロックバンドのギタリストとして、名を馳せていて、今はカリフォルニアで農場を営んでいる主人公のラクラン。飲酒運転を起こした事で、過去の犯罪歴までに飛び火し、母国スコットランドに強制送還されそうになり、追い込まれていくドラマ。
ロバート・カーライルの姿が役柄にピッタリでしたね。憂いを帯びた表情に、小汚ない服装。本当にこんな元ミュージシャンいそうで、スッと話に入り込めました。
過去や現在での身勝手な振る舞いで、自業自得な部分もあるラクランですが、窮地に追い込まれてから改めて思い知らされる自分の立ち位置。それを見つめ直していく過程は、淡々としつつも、飽きさせずに見せてくれるものでした。やっぱりロバート・カーライルの味のある演技のおかげかな。
過去の過ちに自責の念を抱えたり、思う通りにいかない事も立て続けに起きたりと、自暴自棄に陥って、このまま悪い方向へと流れてしまうのかと思いましたが、最終的には家族と音楽に戻ってくるのには少し安心。
離婚しているけれど、自分にとって大きな心の拠り所になるのは家族。そして自分が今まで信じてきた音楽。闇落ちしてしまいそうな中でも、自分にとって大事な存在を見つめる事の大切さを実感した一作になりました。
