ダイセロス森本

変態小説家のダイセロス森本のレビュー・感想・評価

変態小説家(2012年製作の映画)
5.0
邦題詐欺詐欺映画だ~!!見てよかった~!
後半からの展開には笑ったけれども、これ含めての評価、満点。

殺人鬼の話を書いている小説家、殺人鬼について調べ過ぎたら怖くなってしまい、毎日片手にはナイフ。常に殺される気がして仕方ない。
こんな彼の作品、実は絵本しか売れていないらしい。子供向けではなく、大人に向けて小説を書きたいのに…ということで、殺人鬼の脚本を売り出すことに。誰も食いつかなかったのに、ひとりこの脚本に興味を持っている人がいるらしい…。この人に会うための1日が主な物語。にしても大変だったね、1日…。

常に怯えていて、外にも出ず、ぼさぼさの頭でいらっしゃるサイモン・ペグ。こんな姿も良いなんて…なんで…。最後のスーツ姿で髪もしっかり整えているペグも、ぼさぼさで下着だけのペグも、なんでこんなに良いのでしょう…変身する俳優だなあ。

完璧な鬱。コミカルに描かれてはいるけれど、鬱!
可哀想なほどコインランドリーを怖がっているし、そもそも被害妄想がここまで酷くなるって、もう鬱!
〇〇恐怖症というのは、心の傷をその物に映し出して怖がっているだけ、らしい。心にある傷を直視できないため、何か他のものにその傷を映し出し、それを見たり触ったりすると恐怖が蘇ると。 なるほど。

だけどこの小説家の恐怖症はしんどいだろうなあと。
まああまり書くとネタバレになってしまうのでやめておきます。最強の鬱映画『フィルス』(お気に入りすぎる)と、強めの鬱だけど可愛いのでなぜか心がほぐれる鬱『フランク』と、コミカルで頭おかしそうだけど実は一番しんどい鬱『変態小説家』。ふん。いいぞ~。

後半の展開もこれぞ映画…というか、こういう脚本じゃないとサイモン・ペグは出ないよね~!って感じなので良き。一件落着…してないラスト。
この終わり方、最高。