まっつん

キラー・スナイパーのまっつんのレビュー・感想・評価

キラー・スナイパー(2011年製作の映画)
5.0
クソ最高かよ!!!!!!これぞフリードキン!!かつてエクソシストの撮影現場でショットガンをぶっ放し、素人のウィリアムオマリー神父を引っ叩くという悪魔超え演出の数々を行なった狂人フリードキン。本作公開当時は76歳ですがまだまだ狂ってやがるぜ!

もう本作掴みがバッチリでオープニングでいきなり大写しになるのはジーナガーション(「ショーガール」のクリスタルの人!)のマ○毛ですからね。なんだそりゃ!ジーナガーションは主人公クリスの継母なんですが、息子としては家に訪ねてみたらいきなりマ○毛丸出しなもんで「パンツはけよ!」と大激怒。「あんたかどうか分からなかったんだからしょうがないじゃない!」と継母。「お前は相手が分からなかったらその格好でドア開けんのか!!」と息子。挙げ句の果てには取っ組み合いという......そして本筋の実の母親保険金殺害計画もまぁ穴だらけの計画なんですがこの家族はなんの疑いも持たずに飛びついてしまう。なぜならこいつらはまごう事なきバカだからです。世間一般に言うホワイトトラッシュ一家なんですが、揃いも揃って下品で低能でバカというなんとも香ばしい一家ですね。母ちゃんはマ○毛丸出しで部屋をウロチョロし、親父は昼間っからビールばっか飲んで状況というものをまるで把握していない。息子は借金取りに追われてボコられまくりだし、娘はちょっとどこか抜けているわけです。そもそも殺人計画について話し合うのがストリップバーってアホか笑。しかも大切な話をしている途中で親父はストリッパーの方へ目が泳ぎまくりという笑。

そして母親殺しを依頼する「キラージョー」。バカ一家が殺しの料金を後払いにしてくれとかセコイことを言いだすから契約は破談になるかも思いきや.....娘を見て「あの娘を担保にとろう」とか言い出すわけです。こいつロリコン?!?!そこからポンコツ一家と殺し屋ロリコンの一つ屋根の下、奇妙な共同生活が始まります。どうなってんだこの映画!!!

そして後半のフライドチキンの世界で一番狂った使い方.....それは思いつかなかったわ....しかもお前らそっちに加勢すんのかい!っていう頭の悪い連中がわちゃわちゃやってる感がもう爆笑ものですね。このシーンなんかは撮り方がデヴィッドリンチっぽくて、引きのカットが舞台原作の本作に映画的なシュールさ持ち込むことを成功しています。

とにかく人としてガッカリすることしか起きない恐ろしくブラックなコメディとして最高に面白いです。ラストのラストまで暴力的でとことん突き放し切っていて、もう理想的な着地だと言えます。「呆れるほどどうしようもねぇけど、とりあえず笑うしかねぇわ!」っていう我々に真の「癒し」を与えてくれる傑作!素晴らしかった!