安堵霊タラコフスキー

ザ・デッド/「ダブリン市民」よりの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

3.1
何故か急に見たくなった、30年以上前のジョン・ヒューストンの遺作。

20世紀初頭の貴族らの小さなパーティって感じの雰囲気は良かったが、長回しが多くないのにベルイマンやドライヤーの演劇的作品以上に演劇的に思えたのが不思議。

あとカット割りに成瀬やニコラス・レイ的な律儀さがあるからか、場の雰囲気は良いのに詩情が感じられず、出来損ないのオリヴェイラ作品みたいな印象になっていたのは勿体無かった。

そんなわけで出来としては遺作として良かったのかどうかは甚だ疑問だが、限定的な舞台っていうのも監督デビュー作のマルタの鷹みたいでそういう意味ではジョン・ヒューストンらしいとは思ったし、子供たちが脚本や主演として関わったものが最期の作品になった点でも芸能一家の人間としては良かったのかもしれない。