ほぼセオリー通りの王道ラブストーリーながら120分もの時間を持たせたのは、ひとえに少数精鋭に絞られた主要キャスト(星野源と夏帆の家族)らの演技力に他ならない。今まで知らなかったけど、森山良子の芝居が無茶苦茶上手くて驚いた。役柄に合わせてちゃんとカエルみたいな目付きや挙動が出来る星野源を見てると、逃げ恥が大ヒットした要因の一端を垣間見れる。
キスをしようとして鼻先で相手の頬をぐいっと押しつける場面が個人的に最大の萌えポイント。
反対にシーツかぶってイチャイチャするシーンは予想よりも長くて、どんどん両親の立場に気持ちが移っていったので印象はむしろマイナス。場合によっちゃ、あれ準強姦だし。
あとカメラが揺れる演出がくどいのと、終わり方の雑さが気になった。
ピュアラブ成分を補充して気分リフレッシュと意気込んで見たが、最終的にはあまりに漂白された世界観に「もっと淀みを、もっとエグみを」と変な禁断症状に陥ってしまった。