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ベルトルッチの分身のameriaのレビュー・感想・評価

ベルトルッチの分身(1968年製作の映画)
3.0
主人公のジャコブが公園とか駅にいたら「こら!そんなにジッと見ちゃいけません!」て完全に言われるやつで、早い段階で胸やけを起こしました。

ジョン・ローンが気になって合わないだろうなと避けてきた『ラストエンペラー』にやっと手をつけて、まだ途中までだけどおもしろいぞ?映像美も好きだぞ?あれ?意外とベルトルッチいけるんじゃないか?食わず嫌いしてただけで…と思ったけどやっぱり苦手なほうだった(笑)おもしろいし映像も素敵なんだけど、映画っていうより美術学校とかで、スプーンの上に卵のっけて目の前を黙々と歩かれるような前衛的というかどう理解したらいいのか、サブカルすぎてあまり近寄りたくない難しい芝居、舞台をずっと見てるみたい😂

でもアタオカなジャコブを演じてるピエール・クレマンティの一人二役が凄い。細すぎるし青髭だし変な髪型できもちわるさMAXなんだけど、もうひとりのジャコブのときは瞳も声も急に美青年になるから、気になって調べてみたらあちらでは一世を風靡していた性格俳優さんなのですね。

華奢で中性的な雰囲気は当時の日本ではあまり女子うけしなかったみたいだけど、一部では熱狂的なファンはいたようで。この細身な感じや中性的な雰囲気が今ならきっと日本でもうけそうなタイプの人。時代が早すぎたのかな…16ミリカメラでダウナーな雰囲気の映像を撮っていたりと実際のご本人も相当変わりもんだったっぽいですね。薬で捕まったりとか納得しかない。人間てあんな早く動けんの?とか絶対キメキメだもんあんなの…

ラストはハッとするし、壁にうつった影に蹴られたり、声はするのに誰もいないところを映すのとかは不気味すぎた。

返却日近いから駆け足で観ちゃったけど、また見返してみたいとは思う。

わたしも明日から瞼に目を描いてひとり落語でもしてみたいわって気持ちになりました。
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