上海十月

ベルトルッチの分身の上海十月のレビュー・感想・評価

ベルトルッチの分身(1968年製作の映画)
3.0
最新作「孤独な天使たち」に比べると過激な表現と遅れたヌーベルヴァーグなのが観れる。初カラー作品で長らく日本未公開だった作品。これは、ベルトリッチ版「監督、ばんざい」ではないかと勝手に評論しますね。今まで影響を受けたヌーヴェルヴァーグ「中国女」を吐き出し、呪われた映画「吸血鬼」、エイゼンシュタイン「戦艦ポチョムキン」にオマージュを送る。これをしないと次の「暗殺のオペラ」が作れなかったのではないかと感じる。ゴダール的な映画を一回作らないと気が納まらなかったのではないかと。ある意味ベルトリッチのヌーヴェルヴァーグへの決別宣言にも見える。女性の描き方なんかは、後のベルトリッチ映画の方向性を示しているような気がしますね。こういうのが好きな人だけお勧めします。
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