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カレ・ブランのsmithmouseのレビュー・感想・評価

カレ・ブラン(2011年製作の映画)
3.9
「袋に自ら入る者には生きてる価値はない」
ジャケのヤツがホントの袋叩き。
心に訴えかける構図の整った映像が多く、フランスでは「精神的な暴力の提示」が理由で僅かな映画館でしか公開しなかったとのこと。
「いきなりステー◯」じゃなくて「いきなりソイレントグリーン」なんだもんなぁ。

社畜と家畜の量産される、現代日本では無い何処かの話。主人公が母親の自殺を機に全体主義的社会の一部になっていく過程を淡々とドギツイ暴力で描く。

何の説明も無く見せつけられる閑散とした無機質な光景と突然始まる通り雨的な謎の暴力の彩る灰色のディストピアは無茶苦茶難解。
ビッグブラザー的な悪者の存在は不在な為、エンタメ性、明確なメッセージ性共に不在。
その代わりに少年時代からの主人公の変容を知ってしまった時にはゾッとした。

ブラック企業の新人研修かよと思う「電話」や「苦痛に耐える」「笑顔」のシーンとかは誰も疑問に思って無い感じが気持ち悪かった。
(「自発的隷従論」でも「圧政を支えているのは実は民衆自身」的なことを言ってたし、絶望的未来を変える為、とりあえず明日から仕事行くの止めてみようかな)Oo。.(´-`)

美しく麻痺した未来の映画。